2012/10/30

デザインと5S

大学院の担当科目「プロダクトデザイン特論」にパナソニック時代にお世話になった堅田氏を特別講師にお呼びして、「海外におけるものづくり」について、お話していただいた。
堅田氏は、ドイツ、アメリカ、中国で会社の設立、運営に責任者として関わった方です。お話の内容は、ものづくりにおける民族性、地域性の違いを実例を交えてして頂きました。

その中で強調されたのが、「5S」です。
ものづくり会社の基本は5S、この実践なくしては品質は良くならない。品質が良くならなければ生産効率は良くならない。効率が良くならなくては価格競争力生まれない。

これは、デザインについても同じではないかと思う。クリエイティブな職場だから自由な環境で・・・といって整理整頓もできず、挨拶もできないような組織では良いデザインが生まれるはずがない。デザインの甘さは、このことを後回しにしても許されると思っていることではないだろうか。

5Sは、大学におけるデザイン教育、特に演習等での指導に生かすべきと思う。

日本が生んだ日本的なマネージメント手法である。これからの日本的デザイン開発に生かさない手はない。



以下、wikipediaからの抜粋です。
「5S(ごエス、ごーエス)とは、製造業・サービス業などの職場環境の維持改善で用いられるスローガンである。各職場において徹底されるべき事項を5つにまとめたもので、4S運動に「躾」(習慣化の場合もある)を加えた5項。
名前は、5項目のローマ字での頭文字がいずれもSとなっている事に由来する。5Sに基づいた業務管理を5S管理・5S活動などと呼ぶ。
①整理(せいり、Seiri) いらないものを捨てる
②整頓(せいとん、Seiton) 決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておく
③清掃(せいそう、Seisou) 常に掃除をして、職場を清潔に保つ
④清潔(せいけつ、Seiketsu) 3S(上の整理・整頓・清掃)を維持する
⑤躾(しつけ、Shitsuke) 決められたルール・手順を正しく守る習慣をつける
5S自体による効果は職場環境の美化、従業員のモラル向上などが挙げられる。5Sの徹底により得られる間接的な効果として、業務の効率化、不具合流出の未然防止、職場の安全性向上などが挙げられる。これは、整理整頓により職場をよく見るようになり、問題点などの顕在化が進むためであるとされる。
日本で生まれた概念だが、日本国外で用いられることもあり、「ファイブ・エス (five S)」と言う」

2012/10/18

三年生プロジェクト演習中間発表会

プロダクトデザイン領域プロジェクト演習の後期前半8回は、「スマート・モビリティ」をテーマに推進しています。グループ討議から個人テーマを見つけて、いろんな視点からのスマート・モビリティを提案します。
デザインは、あったらいいな!を見える姿にすることです。どれだけワクワクする魅力的なコンセプトとアイデアが出てくるか!これからが楽しみです。

 

2012/10/17

今日の「色彩論」は照明デザインについて

特別講師に照明デザイナーの高永祥さんを迎えて、照明と演色性についての講義、そして、高永さんがデザインされた作品の紹介をして頂きました。もちろん昨年同様にいろんな種類の電球を用意して頂き、実演しながらの分かりやすいものでした。
私としては、彼女が照明デザイナーになった経緯を話してもらいたかったこともあり、講義内容は少し早く終えて頂きました。その内容は、建築学科で学んでいた時に照明の魅力に魅せられ今の事務所に押しかけて行ったこと、、、思いがあれば実現する。講義の後で数名の学生が彼女の周りに集まっていました。

写しとデザイン

「写し」とは「書画を写しとること。模写」であり、模倣という言葉には創造的な意味が感じられないのが現在です。日本文化には写す行為から学ぶとともに、新たに創造的なものが生み出されるという見方があります。絵画や陶芸、書においては多くの事例があります。昨夜のテレビ番組に出ていた「大野鈍阿の茶器」もその一つでしょう。書画に比べて機能を有する茶器は、デザインされたものとも言えます。では模倣された茶器のデザイン価値はどこにあるのでしょうか。ここで思い出すのがヤング著『アイデアの作り方』の「アイデアとは既存の新たな組み合わせ」という言葉です。そうです。写す行為の中で新たな組み合わせが行われ、そこで新たなアイデアが生まれるのです。若いうちに沢山のデザインを写しましょう。新たなアイデアの創出のために。

2012/10/14

素材とグラフィックのデザイン価値

20年近く替刃を何度も交換して愛用したブラウンのシェーバーですが、最近どうも剃り心地が良くなくて、買い替えを考えていました。最近のコマーシャルを観ると水洗いできたり、除菌できたりと優れものが多いので電気店に行って来ました。そして、いろいろ比較して購入したのが写真のシェーバーです。剃り心地も良くて満足してますが、本体のプラスティッキーなこと、グリップ感がそのためにしっくりこない。それ以上に残念なのが本体に直に印刷された注意書きです。担当デザイナーはどこまで頑張ったのでしょうか。使用する生活者にとってのデザイン価値は細部にも存在します。

2012/10/13

デジタルスケッチ基礎

言うまでもなく、アイデアは手描きが基本です。ものを見る力、表現する力は手描きで養われます。しかし、デジタルスキルを無視することはできません。実際、デザインの現場でIllustratorとPhotoshop抜きに作業は進まないでしょう。学生の皆さん、デジタルスキルも身につけてください。

2012/10/12

デザイン演習はアイデアの数から逃げない

デザインの創造性は数から逃げないことから生まれます。これは魅力的なアイデアを生み出す上での法則です。
そこには、もちろん一つ一つのアイデアへの拘りも必要です。私のデザイン演習の進め方は荒削りでも良いから多くの解決案を出すことを第一にして、そのために調査、分析、発想法を学んでいきます。

2012/10/05

日テレ「おはよんニュースライン」出演

実は、少しだけ掃除機の歴史についてコメントする役回りで、日テレの朝の番組に出演しました。今年の6月26日のことでした。朝早い番組でだれも観ていないと思って黙ってましたが、久々に近所の電気屋さんに会ったら「観たわよ・・・」と言われて、恐縮です。