2013/05/13

デザインは模倣から学ぶ

 デザインの学びは模倣からはじまります。もちろん、最終的な目標は独創的なものをつくることであり、そのための創造的な活動が重要となります。

 私たちは自然物や人工物を観察し、その機能、構造、造形を学んできました。企業における製品開発も、他社製品を分解することからはじまります。この行為は、特許や意匠を模倣した製品をつくるためではなく、よりより製品をつくるためです。

 芝浦工業大学デザイン工学科では、本年度より新たな科目「デザイン基礎造形演習」をスタートしました。前期はデザインにとって必要とされるスケッチ力を身につける演習です。履修する学生は美大を目指したことのない者がほとんどですから、デッサンを学んだこともありません。

 演習の目的もデッサンを描くことではありません。「アイデアを考え伝えることのできるスケッチ力を身につける」ことです。そのためには、モノを見る力を養う必要があります。演習のはじめの4回は、立方体、円柱などの基本立体からはじまり、シンプルな器などのデッサンを行いました。

 今週はデザインのための製図(三角法)の基礎を学び、来週からはスケッチの演習です。スケッチはデザイナーにとって言葉や図面とともに必要なリテラシーのひとつです。そして、アイデアを生む行為そのものでもあります。