2013/08/18

バックにキャスターを付けたのは誰?その2

 少しだけ調べてみました。
 
 旅行バックは、ルイ・ヴィトンに代表されるトランクケースに始まり、スーツケース、トローリーケース(「コロコロ」「ガラガラ」とも言われる)へと変化して現在に至っています。
1964年、東京オリンピックの年に海外旅行が自由化され、第一次海外旅行ブームが起こったことから旅行用のバックの需要が増しました。
 初めてのキャスター付きスーツケースは、エースのサムソナイト「シルエット」だと言われています。これは横型走行タイプでしたが、1975年には縦型縦開きになります。現在の縦型横開きになったのは、1978年に発売された「ワードロープ-3」だったようです。
 1980年代になると個性化の時代となり。1990年代になってキャリーハンドルの付いたピギーケースが出てきました。この間に「もっと楽に運びたい」とのユーザー要望から改良が重ねられ現在に至っているようです(以上、地球の歩き方「スーツケース進化論」arukikata.co.jp参考)。
 
 
 それでは、誰がデザインしたのか?意匠登録を1970年から2000年まで概観してみると、初めてのキャスター付きは、1973年10月31日出願、意匠登録442188、創作者:平野辰雄でした。海外意匠、特許も合わせてもう少し調べる必要があります。
 
 

今回の意匠登録調査で、榮久庵憲司が1967年に創作出願した手さげバックを発見しました。確認はできていませんが、デザインから1967年に発売されて爆発的なヒットをしたという「デボネア」ではないかと推測しています。

2013/08/17

バックにキャスターを付けたのは誰?

 ものをデザインすると使われるスタイルが生まれる。スタイルはシーンをつくり、物語を生むことに繋がる。しかし、そこには生まれた背景がある。
 
 初めて、バックにキャスターをつけたのは誰だろう。重たい荷物を運ぶためにはどうすれば楽になるか?考えた結果だろう。
 ただ少し前まで旅行するとき、駅などで荷物を運ぶのはポーターだった。もちろんホテルでも。ポーターにチップを渡すことが当たり前だった。だから、鞄を所有している人にとっては荷物を楽に運ぶことは必要ではなかったし、ポーターにとっても自分の仕事を奪う手段を取り入れる必要はなかった。
  現在のキャスター付キャリーバックは、自ら鞄を運ぶ旅行者が増えたためだろう。旅行の大衆化、日常化がバックにキャスターを付けるアイデアを生んだとも言える。
 一度、しっかりとキャスター付キャリーバックの歴史を調べてみたいものです。
 
 

2013/08/08

葉山セミナーハウス夏ゼミ合宿

増成研では、毎年夏休みに入ってすぐのこの時期に、芝浦工業大学葉山セミナーハウスでゼミ合宿を行っています。卒業研究を推進する上で夏休みは大変貴重な期間であり、夏休みの初めにこれまでの進捗の確認をするとともに、相互の意見交換をすることは大切です。
 
今年は吉武研と合同で卒業研究の集中討議、活発な意見交換が行われました。この場での討議が今後の成果に繋がることと思います。まだまだ、研究目的が絞りきれていない学生もいますが、これからが本番です。大学4年間の成果を悔いのないかたちで導き出して欲しいものです。
 
そして、その後はBBQ、花火。
増成研は、厳しく、楽しく、卒業研究を推進しています。