1984年11月、打倒プロフィールのデザインプロジェクトチームは5名でスタートしました。60名ぐらいのデザイン組織から5名を現業のデザイン開発から外すことには抵抗もあったと思います。当然、5名には抱えている進行中のデザイン開発もあった訳ですが、退路を断つ意味で、それらには関わるな!との指示でした。言い訳のできない状況に置かれたわけです。
プロジェクトチームの部屋もデザイン室とは別の部屋が用意され、集まった5名はブレストをはじめました。それぞれ、テレビのデザイン開発に日々関わっていながら持っていた思いを交換する中で、それほど時間の経たないうちに、「テレビとはブラウン管だ!」「技術からブラウン管を借りてこよう・・・」ということになりました。
当時、市販されているテレビの最大画面サイズは28インチでしたが、ちょうど29インチの非球面フラット画面のブラウン管が開発中でした。
プロジェクトルームに持ち込んだブラウン管をフロアに置いたとき、みんなの抱いた感覚は、「美しい」ということでした。毎日のようにテレビのデザインを考えいながら、製品の画面としてのブラウン管は日常的に見ていながら、裸の状態でブラウン管を見る機会はそんなになかったのです。
そして、床に置いたブラウン管に対面するかたちで私が床に座ってテレビを観ている姿をとったところ、全員から「それだよ」との声が出たのです。
デザインコンセプトが決まり、後は「床に置いたブラウン管」を如何にして造形し、製品にするかでした。
2014/11/14
2014/11/04
私的神話その3・打倒プロフィールプロジェクト発足
1984年の秋、当時の松下電器テレビデザイン部門には60人以上のデザイナーがいました。デザインの必要性は担当する製品の市場規模に相関します。それだけ重要な製品だったのです。
まだ、ブラウン管の時代でしたから今よりは造形に関わるデザイン要素は多くありました。ニューメディアも騒がれていましたし、インテリアの要素として、小物雑貨として、車載機器として、様々なデザイン提案がされていました。
生活提案は、今のユーザーエクスペリエンスデザイン以上に活発な活動でした。日本全体が元気だったのかもしれません。
生活提案は、今のユーザーエクスペリエンスデザイン以上に活発な活動でした。日本全体が元気だったのかもしれません。
今は全てがスマホで完結していますが、1980年代は、AV機器のデザインが元気でした。ソニーがヘッドホンステレオでウォークマンを発売し、ラジカセは様々なデザインがひしめき、ピュアオーディオも元気でした。それに加えてビデオデッキ、ビデオムービーとユーザーが欲しくなる商品が次々に出てきていました。
当時、テレビのデザインを担当するデザイナーとして目指していたのは、プロフィールを超えるデザインをすることでした。ソニー以外の会社で働くテレビ担当のデザイナーは同じ考えであったと思います。ソニー内でも同様だったかもしれません。
2014/10/19
私的神話その2・SONY プロフィール
デザインには、神話的な誕生秘話がつきものです。
井上円了が「歴史はその時つくられる」と言ったように、実際にあったことでも後々受け取った人が心地ようように変容するものです。
SONYプロフィールについては、いろんな書籍、雑誌等でSONY発信としても語られていますが、そのほとんどは、1982年発行の『SONY Boilerhouse project 図録』の内容が初出のようです。
そこには、盛田氏から黒木氏へ、以下のようなメモが渡されたとあります。1978年のクリスマスのことだとなっています。
「黒木君へ
計画書は
従来のVideo Disc, ・・・・etcまで
飛躍しているが
それ以前に
TVを各種サイズモニター 各種Tuner Amp Speaker の組合せとし
次第に、TVをCompo化する方向へもって行ったら?
System Compoとして、特約店の意思でどの値段にもなし得る様にする」
1982年、テレビのデザインをはじめたばかりの私は、この内容を読んで、ただただ「凄いな・・・」と、「デザイン開発にはドラマがある・・・」と、憧れたものです。
そして、当時の給料からすると無理をして、16インチのプロフィールKX-16HF1を購入しました。テレビのメーカーに勤めている社員が他社の商品を買うのは如何なものか?との声も聞こえてきましたが、私としては、目指すべき目標を身近に置きたかったからです。
16インチのプロフィールは、私の風呂もない安アパートには不釣り合いに輝いていました。
井上円了が「歴史はその時つくられる」と言ったように、実際にあったことでも後々受け取った人が心地ようように変容するものです。
SONYプロフィールについては、いろんな書籍、雑誌等でSONY発信としても語られていますが、そのほとんどは、1982年発行の『SONY Boilerhouse project 図録』の内容が初出のようです。
そこには、盛田氏から黒木氏へ、以下のようなメモが渡されたとあります。1978年のクリスマスのことだとなっています。
「黒木君へ
計画書は
従来のVideo Disc, ・・・・etcまで
飛躍しているが
それ以前に
TVを各種サイズモニター 各種Tuner Amp Speaker の組合せとし
次第に、TVをCompo化する方向へもって行ったら?
System Compoとして、特約店の意思でどの値段にもなし得る様にする」
1982年、テレビのデザインをはじめたばかりの私は、この内容を読んで、ただただ「凄いな・・・」と、「デザイン開発にはドラマがある・・・」と、憧れたものです。
そして、当時の給料からすると無理をして、16インチのプロフィールKX-16HF1を購入しました。テレビのメーカーに勤めている社員が他社の商品を買うのは如何なものか?との声も聞こえてきましたが、私としては、目指すべき目標を身近に置きたかったからです。
16インチのプロフィールは、私の風呂もない安アパートには不釣り合いに輝いていました。
『SONY Boilerhouse project 図録』1982より
2014/10/13
私的神話その1・SONY プロフィール
1980年3月、松下電器に入社して1年間の長い研修期間を終え、やっとテレビ本部デザインセンターに配属が決まり、さあデザインができると意気込んでいた頃です。
1980年代にデザインに関わっていた人、特にテレビ受像機のデザインに関わっていた人にとって、衝撃的な出来事が起きました。
「PROFEEL」の発売です。
多くの人は、「profile」だと思ったことでしょう。しかし、すぐに「プロのフィーリング」であると知って、ソニーらしいな、やられた、、、ソニーデザインが輝いていました。
3月4日、5日、6日の新聞広告では、デザインの造形コンセプトを「ブラウン管だけお売りしたい」、デザインのバリエーションが可能であることを「変貌できればいつまでも新鮮だし飽きてしまうこともない」、そしてモニターであることを「いろんな機器と自由な組合せができたらとても便利だ」とアピールしました。
その後の各社のデザインの動きは、「PROFEEL」に習えとばかりにモニタースタイルに舵がとられました。「PROFEEL」は異端ではなく、次の主流になると誰もが感じたからです。
テレビ受像機のデザイン変遷を辿ってみると、「PROFEEL」は突然変異的に出てきたのではなく、またソニーだからできたのではなく、生まれるべくして生まれたと思われます。
(つづく)
2014/07/19
自然観察からデザインを学ぶ
一ヶ月近く前から、MOLESKINEの小さなスケッチブックに、毎日、自然観察絵日記をつけています。
何気ない日常の風景の中にも、いろんな気づきがあります。
自然物、人工物に関わらず、用途、機能への疑問や気づきを色と形に結びつけて見る。大切なことだなと再認識しています。
最近流行りのデザイン○○と言った言葉ばかりに振り回されず、たまには、スケッチブックと睨めっこするのも良いかもしれません。
デザインを学ぶ学生は、是非、自然だけでなく人工物も含めて、日常の気づきを記録しては如何でしょうか。
2014/07/18
食はコミュニケーション
随分と間が空いてしまいましたが、愛情を込めて焼き上げたパンの結果方向です。
久しぶりに再会する友人に食べてもらうために作ったパンです。
喜んでもらえたものと思います。
食は話題のきっかけづくりになります。どんな気持ちで作ったか、どんなざ材料を選んだか?なぜ?その材料にしたか?つくるプロセスは?・・・上手くいったこと、いかなかったこと、・・・それらが全て一緒になって友人の口に入るとき、コミュニケーションがスタートするように思います。
2014/06/07
料理はデザイン
デザインは、企画計画し、準備して、実行し、成果を味わうものです。
それって、正に料理そのものではないでしょうか。特に、お客さんをもてなす時には、何を好んで食べてくれるか、真剣に考えるものです。どんな場にだすのか?だれにだすのか?そのためには情報収集が欠かせません。
食べていただく方の好みが分かれば、素直に好物を作ることも大切ですが、いい意味で裏切る行為も必要です。今までに食べたことのないものを提供することが、喜びにつながることは多々あります。もちろん、美味しくなければダメですが。
次に、どのようにして提供するかです。いくら美味しくても、提供される場、器、一緒にテーブルを囲む人が誰であるかで、受け取られる価値は変わります。
そして、何よりも、愛情を込めて作ることです。誰が作ったか、どのようにして作ったか、分からないようなものに感動はしません。
と言うことで、今日は久しぶりに会う友達のために、朝からパンを作りました。大量生産ではなく手作りですから、インダストリアルデザインというよりはクラフトデザインかな。
結果については、次回報告します。
と言うことで、今日は久しぶりに会う友達のために、朝からパンを作りました。大量生産ではなく手作りですから、インダストリアルデザインというよりはクラフトデザインかな。
結果については、次回報告します。
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