2013/06/22

扇風機のデザイン

 
グリーンファン購入しました。決め手は「静音」と「電気代」です。
 
3.11震災以降、家電量販店の売り場では、一時期無くなるのではないかと思われていた扇風機が地位を回復しています。
大手メーカーが価格競争をする中で、ダイソンとバルミューダは、独自の価値を追い求めています。グリーンファンを購入する上で、「音がどの程度静かなのか・・・」ネットでは評価されているものの、なかなか店頭の騒がしい中で確認ができませんでした。私たちの生活空間と家電の売り場とはあまりに環境が違います。レンタルで確かめたいとまで思いましたが、消費電力がわずか2Wで、「電気代」が普通の扇風機の15分の1と知って決断しました。
 
扇風機は、最初期に生まれた家電製品の一つです。モーターに羽が付いているだけのシンプルな構造です(ダイソンは少し違いますが)。それが、ここまで進化したとは。。。と言うか、なぜ気づかなかったのでしょうか。
購入して、組み立てて、使い始めて、その静かさにびっくり(ただし、風量を強にするとうるさいが、使うことはない)、タイマーを掛けていないと切るのを忘れてしまいそうです(タイマーを掛け忘れても12時間で止まるようですが)。静かなのも、電気代が安いのも、DC12V でモーター駆動しているからでしょう。もちろん、スタイルもシンプルで好感が持てます。リモコンも使いやすい。
ただし、気になる点もあります。この電源コードは固すぎて床の上でしっくりしません。
 
私たちが日常使用する家電製品は、購入して、使ってみて、初めてわかることがたくさんあります。いろんなデザイン賞の選定評価は使ってすべきでしょう。
 


2013/06/11

現場の道具たち

朝、大倉山の駅前で見つけたガテン系職人の腰にぶら下がっている道具たちのカッコ良いこと!
特別でなく、必要な道具たちです。

特別な職人ではなく、でも今日の仕事に向けて準備した道具を腰に巻いて、颯爽と歩いていました。決して磨きこまれた道具ではないけれど、必要十分な手入れはされているのでしょう。

これからのデザイン系職人が持つとしたら、どんな道具たちになるのでしょうか。


2013/06/05

ソニー歴史館見学

プロダクト領域の3年生有志とソニー歴史館の見学をして来ました。
ものづくりの源流を知るために、デザインを学ぶ学生は、是非一度見て欲しい製品がたくさん展示されています。
私たちの世代は、ソニーのラジオ、ラジカセ、ウォークマンで育ちました。その次の世代もプレステ、PSPと、ソニーはものづくりとデザインをリードする企業でありブランドでした。
現状は、少々さびしい感もありますが、ソニーの歴史を学ぶことから次代のデザイナーを育てることができたらと思います。




2013/05/13

デザインは模倣から学ぶ

 デザインの学びは模倣からはじまります。もちろん、最終的な目標は独創的なものをつくることであり、そのための創造的な活動が重要となります。

 私たちは自然物や人工物を観察し、その機能、構造、造形を学んできました。企業における製品開発も、他社製品を分解することからはじまります。この行為は、特許や意匠を模倣した製品をつくるためではなく、よりより製品をつくるためです。

 芝浦工業大学デザイン工学科では、本年度より新たな科目「デザイン基礎造形演習」をスタートしました。前期はデザインにとって必要とされるスケッチ力を身につける演習です。履修する学生は美大を目指したことのない者がほとんどですから、デッサンを学んだこともありません。

 演習の目的もデッサンを描くことではありません。「アイデアを考え伝えることのできるスケッチ力を身につける」ことです。そのためには、モノを見る力を養う必要があります。演習のはじめの4回は、立方体、円柱などの基本立体からはじまり、シンプルな器などのデッサンを行いました。

 今週はデザインのための製図(三角法)の基礎を学び、来週からはスケッチの演習です。スケッチはデザイナーにとって言葉や図面とともに必要なリテラシーのひとつです。そして、アイデアを生む行為そのものでもあります。



2013/04/21

インタフェースデザインの私的デザイン史

1979年、私が家電メーカーに入社しデザイン部門に配属された時、グループ企業含めて500名近くいたデザイン職能組織に「インタフェース」の名前の付いた部門はありませんでした。デザイナーは、ほとんどがプロダクトデザイナーと言ってよい状況で、パッケージデザインや製品のグラフィックデザイン、ロゴデザインについてもプロダクトデザイナーが行っていました。
もちろん、「インタフェース」という言葉が使われていなかった訳ではないように思いますが、ほとんどの場合は機器と人間との間のインタフェースであり、人間工学の一分野だったのです。

この頃、私が担当してテレビでは、本体の画面上に出てくるチャンネルや音量表示(オンスクリーン表示)をリモコンで操作することが一般的になり、ニューメディア(当時はそう言われていましたが、今で言うマルチメディアか)の到来とともにテレビが多機能化し、オンスクリーン表示とリモコンの関係がユーザーにとって使いにくい状況を生み出していました。この状態は今も続いていますが。

1984年、そんな時に現れたのがMacintoshの128Kでした。その画面のGUIを見たとき時代が変わるのを感じました。それ以前に「Lisa OSは、パーソナルコンピュータ初のGUI環境のOSだった」(wikipedia)訳ですが、一般に与えたMacintoshの衝撃は大きかったはずです。個人的な話ですが、会社の研究所に棚に置きっぱなしになっていた128Kを見つけてきて、上司を説得し固定資産の移管手続きをしてデザイン室に持ち込んだのは私でした。

それから何年か経って、既にMacintosh使いで知られていた川崎和男さんに手紙を出したことからお付き合いが始まり、オンスクリーン表示とリモコンに関するデザイン提案をお願いしました。その先進的なコンセプトは先進的であったがゆえに製品化することができませんでしたが、今でも素晴らしい提案であったと思っています。

1999年、ドコモがiモードをはじめた時に、携帯電話のデザイン担当になりました。携帯電話がインターネットに接続されるようになり、画面のサイズとカラー化、高解像度化が進み、プロダクトデザイナーが片手間に画面デザイン(GUI)を行っていけるレベルではなくなりました。機能の進化は画面遷移を複雑にし、GUIは独立したデザイン業務となっていったのです。

2013/03/16

デザイン工学一期生卒業

芝浦工業大学デザイン工学部一期生が、本日3月16日(土)、学位記授与式を終えて、無事に卒業しました。皆さん、本当におめでとうございます。



合わせて、芝浦校舎では、本日まで、デザイン工学科プロダクトデザイン領域学生主催の『卒業研究展』が開催されました。




2013/02/27

日本におけるデザイン教育のはじまり

日本における高等デザイン教育の始まりは、1921年12月9日に東京高等工芸学校が設置されたことにはじまるとされています。JR田町駅から海側に向かう最初の交差点、東京工業大学附属科学時術高校を背にして高等デザイン教育発祥の地の碑があります。初代校長は松岡寿(まつおかひさし)でした。


手島精一 『手島精一と日本工業教育発展史』より

東京工業大学1940(昭和15)年11月5日発行『東京工業大学六十年史』によると、1889年に東工大の前身東京工業學校に「工業圖案科」が新設されています。その後、東京美術大学(現東京藝術大学)の図案科に吸収されたとあります。このとき、この吸収に反対した人たちによってつくられたのが、東京高等工芸学校です。

1881(明治14)年5月26日  東京職工學校 設立
1890(明治23)年3月    東京工業學校 と改称
1889(明治32)年6月    工業圖案科 新設
1901(明治34)年5月    東京高等工業學校 と改称
1914(大正  3)年9月    工業圖案科 東京美術学校 図案科に吸収合併(p239-240)

同書によると、当時、インドからの留学生を多く受け入れており、英文の学校案内があった可能性があります。もしも、「工業圖案科」が英訳されていたとすると「Industrial Design」だったと思われます。バウハウスが開校する30年前のことです。

工業圖案科の設置について、当時の東京高等學校校長手島精一は、
「今までは兎角高尚なものにのみ施して、日常と云うものに對してはまるで措いて間ない。然しながら図案と云うものはそういう性質のものではない、いかなる卑近なものにも之を施すと云うことが必要である」( P221-223)と、述べています。

1985(昭和60)年5月26日発行の東京工業大学『東京工業大学100年史 通史』(P200)によると、東京高等工業學校と改称され、工業圖案科では、1906(明治39)年2月時点で、機械科、建築科、工芸科があり、工芸科の実習科目としては、彫刻工、指物工、板金工、塗物工があったと記述されています。

東京高等工芸学校については、「1914年、東京高等工業学校の工業図案科は東京美術学校図案科に併合されて廃止された。工業図案科長だった松岡寿はこれを遺憾とし、図案・応用に関する工芸高等教育機関設置の必要性を訴えていたが、ちょうど文部省の高等工業学校拡充施策に合致し、その中の1校として実現することとなった」と記述されている。

このように見ると、現東京工業大学は、 日本における高等デザイン教育をはじめた学校と言えるかもしれません。