2013/11/18

真似ることから学ぶ

「学ぶ」は「まねぶ(学ぶ)」で「まねる(真似る)」と同源であると言われています。

「ルーブル美術館は模写する芸術家の卵のためにできた」とも、聞いたことがあります。

「職人は、師匠の技を盗んで一人前になる」と言われますが、これも見て学べということでしょう。

製品開発において大切なことのひとつが、他社製品の分解から学ぶことだと教えられました。

若い頃、デザイナーがスケッチを上手く描けるようになる近道は、先輩のスケッチを真似ることだと悟りました。

言うまでもなく人類の歴史は、先人の知恵を学び利用し、新たな知恵を発見しては積み重ねて来たのですから、発見と創造の基盤に「学び」があることに間違いはないでしょう。

真似ることは、決して消極的な行為ではなく学ぶための基本的なステップであると思います。ところが近代になって、発明者の権利がビジネスとの関わりでクローズアップされ「どちらが先に発明したか・・・」の議論の中で、真似ることが否定的な意味に捉えられるようになってきたと思われます。

ジェームズ・W・ヤングは「アイデアのつくり方」の中で、「アイデアは既存の組み合わせである」と言っています。すなわち、如何に多くの既存の知を身に付けるかです。人類が蓄積してきた知を有効に活用するために、また、次なる新たな知を生み出すために、「真似ることから学ぶ」姿勢が大切であると感じています。

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