2014/10/13

私的神話その1・SONY プロフィール

 1980年3月、松下電器に入社して1年間の長い研修期間を終え、やっとテレビ本部デザインセンターに配属が決まり、さあデザインができると意気込んでいた頃です。

 1980年代にデザインに関わっていた人、特にテレビ受像機のデザインに関わっていた人にとって、衝撃的な出来事が起きました。

 「PROFEEL」の発売です。

 多くの人は、「profile」だと思ったことでしょう。しかし、すぐに「プロのフィーリング」であると知って、ソニーらしいな、やられた、、、ソニーデザインが輝いていました。

 3月4日、5日、6日の新聞広告では、デザインの造形コンセプトを「ブラウン管だけお売りしたい」、デザインのバリエーションが可能であることを「変貌できればいつまでも新鮮だし飽きてしまうこともない」、そしてモニターであることを「いろんな機器と自由な組合せができたらとても便利だ」とアピールしました。

 その後の各社のデザインの動きは、「PROFEEL」に習えとばかりにモニタースタイルに舵がとられました。「PROFEEL」は異端ではなく、次の主流になると誰もが感じたからです。

 テレビ受像機のデザイン変遷を辿ってみると、「PROFEEL」は突然変異的に出てきたのではなく、またソニーだからできたのではなく、生まれるべくして生まれたと思われます。

(つづく)






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