2014/11/14

私的神話その4・Pプロジェクト始動

1984年11月、打倒プロフィールのデザインプロジェクトチームは5名でスタートしました。60名ぐらいのデザイン組織から5名を現業のデザイン開発から外すことには抵抗もあったと思います。当然、5名には抱えている進行中のデザイン開発もあった訳ですが、退路を断つ意味で、それらには関わるな!との指示でした。言い訳のできない状況に置かれたわけです。

プロジェクトチームの部屋もデザイン室とは別の部屋が用意され、集まった5名はブレストをはじめました。それぞれ、テレビのデザイン開発に日々関わっていながら持っていた思いを交換する中で、それほど時間の経たないうちに、「テレビとはブラウン管だ!」「技術からブラウン管を借りてこよう・・・」ということになりました。

当時、市販されているテレビの最大画面サイズは28インチでしたが、ちょうど29インチの非球面フラット画面のブラウン管が開発中でした。

プロジェクトルームに持ち込んだブラウン管をフロアに置いたとき、みんなの抱いた感覚は、「美しい」ということでした。毎日のようにテレビのデザインを考えいながら、製品の画面としてのブラウン管は日常的に見ていながら、裸の状態でブラウン管を見る機会はそんなになかったのです。

そして、床に置いたブラウン管に対面するかたちで私が床に座ってテレビを観ている姿をとったところ、全員から「それだよ」との声が出たのです。

デザインコンセプトが決まり、後は「床に置いたブラウン管」を如何にして造形し、製品にするかでした。



0 件のコメント:

コメントを投稿