2012/10/17

写しとデザイン

「写し」とは「書画を写しとること。模写」であり、模倣という言葉には創造的な意味が感じられないのが現在です。日本文化には写す行為から学ぶとともに、新たに創造的なものが生み出されるという見方があります。絵画や陶芸、書においては多くの事例があります。昨夜のテレビ番組に出ていた「大野鈍阿の茶器」もその一つでしょう。書画に比べて機能を有する茶器は、デザインされたものとも言えます。では模倣された茶器のデザイン価値はどこにあるのでしょうか。ここで思い出すのがヤング著『アイデアの作り方』の「アイデアとは既存の新たな組み合わせ」という言葉です。そうです。写す行為の中で新たな組み合わせが行われ、そこで新たなアイデアが生まれるのです。若いうちに沢山のデザインを写しましょう。新たなアイデアの創出のために。

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