2014/02/02

再考「軽薄短小」

いつも間にか、あまり使われなくなったように思われる「軽薄短小」。「重厚長大」の産業、製品から軽く、薄く、短く、小さくすることで、付加価値が生まれるとして、競われて時代がありました。私が携帯電話のデザインを担当していた頃は、厚さ0.1mm、重さ1gのせめぎあいを技術としていたものです。「軽薄短小」は、近年の製品だけでなく、昔からの日本的ものづくりの特質でもあります。

最近購入した財布、ネットで調べに調べて可能な限り薄いものを選びました。薄さに拘る理由は、男性の皆さんは経験があるでしょうが、スーツの胸ポケットに財布を入れると膨れ上がり、折角の上着のシルエットが台無しになります。かといって、いつも鞄やポーチを持ち歩くこともできません。

薄さを実現しているのは、皮の薄さと縫製ですが、金具も薄さに拘ったデザインです。細かな積み重ねで薄さが実現されています。改善の積み重ねによる実現、これも日本人の得意とするところです。「軽薄短小」のような物理的に分かりやすい目標だけでは勝てない時代だ、とも言われますが、分かりやすい目標をクリアすることも大切ですし、ユーザーの心を掴むのではないでしょうか。

財布の話に戻します。単に薄いだけでは使い物になりません。必要なものが収まってこそ、優れた製品デザインです。今日の中身は、お札が数枚、PASMO定期券、免許証、銀行カードとクレジットカード、小銭入れには、家の鍵、薄型のUSB、小銭は硬貨が一枚です。これで最厚の部分でも10mm以下です。

ここで、薄さを実現しているもう一つは、入れるものを割り切ったことです。今まで不要に入れていたカードは持ち歩くのを止めました。小銭も極力使わないようにPASMOには、常に一万円以上入れるようにしています。しかし、何かと必要なことのあるUSBは、薄型を選んで小銭入れに入れています。・・・・・・使い方を変えること、生活の仕方を変えることも大切です。







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