2013/12/14

松下幸之助が招聘した日系デザイナーによる掃除機

1965(昭和40)年に発売された掃除機MC-1000Cは、戦後日本のデザイン史に残る優れたデザインの一つです。。

この掃除機のデザインは1965年度の通産省グッドデザイン賞を受賞しており、事業的にも累計生産63万台を達成しています。デザインの特徴は、大きな車輪と反り上がった筐体の形状が特徴です。外観上の特徴を実現したのはABS樹脂を使用したことに因ります。

この製品が出るまでの掃除機は、金属のシリンダー状筐体に機構部品を順番に組み込んでいたのですが、このデザインは筐体を真ん中で割って左右2ピースに分けてモナカ構造にすることで、組立工数を大幅に削減させることに成功しています。
 
MC-1000Cの本意匠は意匠登録261273で、出願は1965(昭和40)年8月3日に行われています。製品化されたデザインの本意匠は、アラン島崎が創作者名で登録されています。
 
アラン島崎は、松下幸之助に招聘されてアメリカから来た日系二世のデザイナーです。来日したアラン島崎は、松下電器の出資でデザイン事務所「インターナショナル工業デザイン株式会社(IID)」を設立し副社長となります。彼は多くのデザイン開発成果を製品にしましたが、この掃除機もそのひとつです。
 
掃除機MC-1000C
 

意匠登録261273


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