2013/12/02

学生にとっての「企業研究」とは

昨日、12月1日に就職活動が解禁になりました。実は採用活動の開始です。休日にも関わらず多くの会場で企業説明会が開催され、学生たちが集まったようです。地方から大学単位でバスをチャーターして都内の会場に来た学生も多かったようです。

企業説明会は、その名のとおり企業が自社の説明をする場です。「自社にとって有能で優秀な学生」にアピールする場です。学生にとっては、興味のある(実は名前を知っているだけの)企業についての情報を手に入れる場です。

学生が企業について知る機会としては、3年生の夏に各社が開催しているインターンシップがあります。しかし、これは企業の側から見ると「自社にとって有能で優秀な学生」を探す場でもあります。インターンシップを終えた学生の多くが「とても楽しかった」と言って帰ってきますが、それは当たり前です。企業にとってインターンシップで厳しく指導する必要はないからです。企業によっては学生はお客さんですから、「ブランドのファン」になってもらうことも目的だからです。

その他にも、企業ホームページや四季報、OB訪問などなど、一般に「企業研究」と言われますが、多くの場合は「企業勉強」です。 本当の意味での「企業研究」を行えば、エントリーシートでも面接でも企業の採用担当者に注目されるのは間違えなしです。

では、本当の意味で、学生にとっての「企業研究」は、何をすべきなのでしょうか。その企業の業種、業態によっても異なるでしょうが、学生にしかできない研究です。採用担当者や説明に駆り出されてくる社員が自社の製品について詳しいわけではありません。

学生、若者の視点でその製品の分解(ハード&ソフト両面で)評価したり、他社製品との比較評価を店頭観察や友人へのアンケートで行うことはできるでしょう。行った調査結果から学生にしかできない視点での考えを述べたり、提案ができるはずです。
ただし、自慢してはいけません。案外、企業から見れば当たり前のことかもしれませんから。大切なことは、取り組んだプロセスです。どのように分解し、観察し、分析したかです。

ここまで読んだ方には、わかっていただけたと思うのですが、ここでのプロセスは「卒業研究」と同じです。テーマを決めて、目的を明らかにするために対象、方法を計画して、結果がでるまで取り組む。明らかにならない場合は計画を見直す。実は、企業におけるPDCAのサイクルを回すことと同じです。

「企業勉強」ではなく「企業研究」して望めば、企業側も身を乗り出して、あなたの話を聞いてくれることでしょう。決して「貴社のホームページにもあるように・・・」などと切り出してはいけません。そんなことを学生から聞かなくともわかっているからです。しっかりと研究することで志望理由も明確になることでしょう。

注)「自社にとって有能で優秀な学生」とは
各社にとって学生の評価は異なることを意味します。同じ企業にとっても事業状況によっては、求める人材は異なります。企業は学校名や成績だけで評価していません。なぜなら、入社後の成績はそれだけでは決まっていないという事実があるからです。

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